歯科コラムcolumn
入れ歯にしたくない方へ――7本のインプラントで“しっかり噛める口元”をつくる選択2025/08/03
歯を多く失ってしまったとき、「見た目を自然にしたい」「何でも噛めるようになりたい」と思いながらも、治療方法がわからず悩まれている方は少なくありません。部分入れ歯を使ってみたものの違和感が強く、外れやすくて不安。そんな経験を重ねた方ほど、「次は、しっかりと治したい」という想いを抱いていらっしゃいます。
調布歯科・矯正歯科では、そうしたご希望に応えるため、片あごに7本のインプラントを用いて12本分の人工歯を支える治療を行っています。構造的にも長期的な安定性が高く、毎日の食事や会話をより快適にしてくれる選択肢です。
なぜ「7本」で十分なのか
片あごには通常12本の歯が並んでいます。それをインプラントで支えようとすると、12本すべてに埋め込まなければいけないと思う方もいらっしゃるかもしれません。しかし、骨の状態や噛み合わせ、補綴物の設計を総合的に評価すれば、7本で支えることが十分に可能です。
この7本の配置は、前歯に3本、奥歯に左右2本ずつという構成です。咬合の力を効率よく分散しながら、必要な支えを得られる、非常に合理的な設計です。
支える構造は3ユニットに分割して設計
さらに、私たちが行っている補綴設計の特徴として、人工歯を3つのユニット(前方・左右)に分けて構成する点が挙げられます。これにより、歯列全体を1本の大きなブリッジで固定するのではなく、構造ごとの独立性を持たせながら、噛む力の微調整やメンテナンスのしやすさを高めています。
具体的には、前歯部を支える3本に対して1ユニット、左右の奥歯部にそれぞれ1ユニットずつ。合計3ユニット構成の補綴を装着します。これは咬合時の“たわみ”や“捻じれ”を防ぐうえでも有効な構造であり、長期間にわたり安定した咬合を維持するのに適しています。
インプラントは「多ければいい」ではない
本数が多いほど安心できると感じる方もいますが、実際にはインプラントは神経のある天然歯と異なり、歯根膜という感覚受容器を持たないため、噛んだときの力のかかり具合を正確に感知することはできません。そのため、必要以上に本数を増やしてしまうと、逆に微妙な咬合バランスの調整が難しくなり、不具合のリスクが高まることもあります。
大切なのは「適切な位置に、適切な本数を、正確に入れること」。この考え方に基づき、当院では7本という構成を基本としながら、咬合力・骨の状態・患者様の生活スタイルをふまえて、最も適した治療計画を立案しています。
静かに眠ったような状態で受けられるインプラント治療
インプラント治療は、処置の内容によっては1〜2時間ほどの手術時間がかかる場合もあります。また、初めての方にとっては緊張や不安も伴うものです。そこで調布歯科・矯正歯科では、麻酔科の医師による静脈鎮静法を導入し、リラックスした状態で治療を受けていただける環境を整えています。
静脈鎮静法では、点滴によって鎮静薬を投与することで、うとうとと眠っているような感覚で処置が行われます。意識は完全にはなくならないため呼びかけには反応できますが、治療中の記憶はほとんど残りません。治療への恐怖心が強い方にも安心して選んでいただける方法です。
「入れ歯にしたくない」という気持ちを形にする治療
この治療を選ばれた患者さんからは、「入れ歯のように外れる心配がない」「食べたいものがしっかり噛めるようになった」「人と話すときに口元を気にしなくなった」といった声をいただくことが少なくありません。
何よりも、“自分の歯で食べている”という感覚に限りなく近い体験ができること。それがこの治療の大きな魅力です。取り外しの手間がなく、日常のメンテナンスも簡便。ご自身の生活に合った口腔環境を、長期にわたって保つことが可能になります。
調布で、全体的なインプラント治療をご希望の方へ
この治療は、すべての方に適応できるわけではありません。骨の量や厚み、かみ合わせ、全身の健康状態などを正確に診査する必要があります。調布歯科・矯正歯科では、CT撮影や模型診断、咬合分析をもとにした精密な検査を行い、一人ひとりに最もふさわしい治療方法をご提案しています。
「入れ歯にしたくない」
「しっかり噛める状態を長く保ちたい」
「見た目や話しやすさにもこだわりたい」
そんな思いをお持ちの方は、まずはお気軽にご相談ください。