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説明と同意 ― 希望を叶えるために、現実を共有すること2025/11/01

医療の現場では「説明と同意(インフォームドコンセント)」という言葉がよく使われます。
調布歯科・矯正歯科では、これを単なる形式的なプロセスとは考えていません。
私たちにとっての説明と同意とは、患者様と歯科医師が同じ目線で未来を共有するための対話です。

治療には必ず目的と限界があります。
「きれいにしたい」「痛くないようにしてほしい」「早く終わらせたい」――
どれも当然の願いであり、私たちはその思いに最大限寄り添います。
しかし一方で、医学的・生物学的な制約を無視して治療を進めることは、
結果として患者様に不利益をもたらすことがあります。

希望と現実の間にある「見えない線」

たとえば、歯を抜かずに並べたいというご希望。
あるいは、できるだけ短期間で矯正を終わらせたいという要望。
どれも理解できる願いです。
しかし、歯や骨の状態、筋肉のバランス、全体の咬合関係によっては、
その希望がかえってリスクを高めてしまう場合もあります。

私たちは、そうした“現実との境界線”を丁寧に説明します。
できること・できないこと、そしてその理由を明確にお伝えし、
無理をすればどうなるのか、逆に我慢すればどんな良い結果が得られるのかを共有します。
**本当の意味での「説明と同意」**とは、患者様の願いを否定することではなく、
その思いを安全な形で実現するために、一緒に現実と向き合うことだと思っています。

歯科医師としての責任とは

医療行為は、常に結果が100%保証できるものではありません。
たとえばインプラント治療や外科処置であっても、
世界で最も熟練した術者が行っても、生物学的な反応や感染リスクを完全に排除することはできません。

その中で、私たち歯科医師が果たすべき責任は、
“完璧な結果を約束すること”ではなく、
“最善を尽くすための判断と行動を取り続けること”だと考えています。

ひとつの治療を提案するとき、
その裏には「なぜそれが最も安全なのか」「なぜ今やる必要があるのか」を
科学的根拠と臨床経験に基づいて説明する義務があります。
患者様が納得した上で治療を受け、
その後に想定外のトラブルが生じても、
原因を分析し、リカバリーの道筋をしっかりと示す――
それもまた歯科医師としての責任です。

同意は「サイン」ではなく「理解」

治療前に行う同意書への署名。
これは“手続き”ではなく、“理解の証”であるべきだと私たちは考えています。
「説明を受けた」と形だけ残すのではなく、
その内容を自分の言葉で理解し、納得して進めることが何より大切です。

ときには、患者様が「思っていたよりも複雑ですね」と感じることもあります。
でもそれは、治療が慎重に計画されている証拠です。
本当に安全で確実な治療は、丁寧な説明と理解の上にしか成り立ちません。

医療は「協力」で成り立つ

治療は歯科医師だけで完成するものではありません。
患者様の協力があって初めて、長期的な安定と成功が得られます。
治療の選択肢を一緒に考え、通院やホームケアを継続していくことで、
初めて“二人三脚の医療”が成り立ちます。

調布歯科・矯正歯科では、すべての治療方針を明確に説明し、
納得した上で進めることを徹底しています。
「言われた通りに治療を受ける」ではなく、
「理解して選んだ治療を共に進める」――
その意識の共有こそが、結果として患者様の安心と満足につながると考えています。

“責任を持つ”ということ

歯科治療の結果は、治療のその瞬間だけでなく、
その後の人生にも関わっていきます。
だからこそ、私たちは一人の患者様に対して責任を持って向き合い、
必要であれば他の専門医との連携や再評価も惜しみません。

希望を叶えつつ、限界を見極め、
そして安全にゴールまで導く。
それが歯科医師としての誠実さであり、
調布歯科・矯正歯科が最も大切にしている姿勢です。

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