歯科コラムcolumn

睡眠時無呼吸症候群のマウスピース作製について2024/10/01

睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、睡眠中に気道が閉塞し、呼吸が一時的に止まることで、睡眠の質が低下する症状です。この病気は、疲労感や集中力の低下、さらには高血圧や心臓病のリスクを高めるため、適切な治療が必要とされています。その中で、歯科が提供する治療法としてマウスピース(口腔内装置)が注目されています。

マウスピースは、軽度から中等度の睡眠時無呼吸症候群に効果的であり、患者様の快適な呼吸をサポートする役割を果たします。マウスピースの基本的な仕組みは、下顎を少し前に押し出すことで、気道を広げ、空気の通り道を確保することです。このシンプルな装置は、手術やCPAP(持続的陽圧呼吸療法)などの他の治療法に比べて、身体に負担をかけず、容易に装着できる点がメリットです。

調布歯科では、患者様一人ひとりに合ったマウスピースをオーダーメイドで製作します。まず、歯科医師が患者様の歯型を取り、そこから個別にフィットするマウスピースを作成します。この装置は、患者様が就寝時に口に装着し、夜間の気道の閉塞を予防します。適切に装着されたマウスピースは、患者様の口腔内に負担をかけずに、効果的に無呼吸を防ぐことができます。

マウスピース治療を希望される患者様は、まず医科(耳鼻咽喉科や呼吸器内科などの専門医)で睡眠時無呼吸症候群の診断を受ける必要があります。この診断を受けた後、医科からの診断書(紹介状)を持参することで、歯科でのマウスピース治療が保険適用となる場合があります。紹介状があることで、マウスピースの作成が健康保険で行えるため、自己負担額を軽減できます。具体的な保険適用の条件や手続きについては、担当医師や歯科医院での確認が必要です。患者様の症状や治療の進行状況に応じて、保険適用の範囲が異なるため、詳細な説明を受けることをお勧めします。

ただし、マウスピース治療は全ての患者様に適しているわけではありません。重度の睡眠時無呼吸症候群の患者様や、顎関節に問題がある方、歯の状態が良くない場合などは、別の治療法が推奨されることもあります。そのため、歯科医師は治療前に患者様の状態を詳細に評価し、最適な治療法を提案します。

また、マウスピースは定期的なメンテナンスが必要です。患者様が毎晩使用するため、長期間の使用で摩耗や劣化が進むことがあります。定期的なチェックと必要に応じた調整を行うことで、装置の効果を維持することが重要です。歯科医院では、これらのメンテナンスも含めて、患者様にサポートを提供しています。

さらに、マウスピースは使いやすさの面で患者様に好評です。CPAPのような機械を使用する治療法に比べて、持ち運びが容易で、旅行や出張時にも便利です。装着感に関しても、最初は違和感を覚えることがあるかもしれませんが、徐々に慣れてくる患者様が多く、快適に使用できるようになります。

睡眠時無呼吸症候群は、早期の診断と適切な治療が鍵です。無呼吸が続くと、日常生活に支障をきたすだけでなく、長期的な健康リスクも高まるため、症状があると感じた場合は早めに専門の医師に相談することが大切です。歯科でのマウスピース治療は、比較的負担が少なく、効果的な治療法として多くの患者様に選ばれています。

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