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ガイデッドサージェリーによるインプラント治療2025/08/31
〜調布歯科矯正歯科での取り組み〜
インプラント治療は日々進化を遂げており、その中で「ガイデッドサージェリー」は安全性と精度を高めるために欠かせない手法となりつつあります。調布歯科矯正歯科でも、必要な症例では積極的にこの技術を用いています。
ガイデッドサージェリーとは
ガイデッドサージェリーは、事前に撮影したCTデータをもとに専用ソフトでシミュレーションを行い、その計画通りに埋入を行うシステムです。患者さんの顎骨の形態、神経・血管の走行、隣在歯との距離を3次元的に確認し、術前に「理想的な埋入位置と角度」を決定します。
その後「サージカルガイド」と呼ばれるマウスピース状の器具を製作し、手術中はそのガイドを通してドリルを操作することで、計画した位置から逸脱しないように制御します。これにより、経験や勘だけに依存しない、科学的根拠に基づいたインプラント埋入が可能になります。
メリット
精度の高い埋入
骨量が限られている部位や、解剖学的リスクの高い部位(下顎管や上顎洞の近接部位など)において、ガイデッドサージェリーは大きな役割を果たします。数ミリのズレが予後に大きく影響するため、正確性の向上は極めて重要です。
外科的侵襲の低減
必要以上に歯肉を切開せずにアプローチできるケースでは、術後の腫脹や疼痛の軽減につながります。結果として患者さんのダウンタイムを短縮でき、日常生活への復帰も早まります。
審美的予後の安定
インプラントは埋入位置次第で最終補綴物の仕上がりが大きく左右されます。特に臼歯部の咬合支持、前歯部の歯肉ライン形成などにおいて、ガイドに基づいた埋入は長期的な安定と調和をもたらします。
デメリットや制約
一方でガイデッドサージェリーには限界もあります。
- ガイド製作に時間とコストがかかる
- 口腔内のアクセス状況によってはガイドの装着自体が難しい
- 急を要する抜歯即時インプラントや感染部位では適応が制限される
こうした点を踏まえ、全症例に画一的に適応するのではなく、症例選択を的確に行うことが重要です。
調布歯科矯正歯科での応用
当院ではCT撮影を標準化し、デジタルシミュレーションを行ったうえで、ガイデッドサージェリーを選択するかどうかを判断しています。特に以下のケースでは積極的に導入しています。
- 骨量が限られており、誤差の許容範囲が小さい場合
- 神経や上顎洞との距離が近く、安全性を優先すべき場合
- 補綴主導での治療計画が求められる審美領域の症例
経験豊富なドクターが埋入計画を立案し、補綴設計との整合性を重視することで、単なる「ガイド通りの手術」にとどまらないトータルな治療を提供しています。
まとめ
インプラント治療におけるガイデッドサージェリーは、外科的な安全性、補綴的な精度、そして患者さんの快適性を同時に高められる手法です。ただし万能ではなく、適応判断と術者の知識・経験が不可欠です。
調布歯科矯正歯科では、最新のデジタル技術を活用しつつ、症例ごとに「ガイドを使うべきか」「フリーハンドで行うべきか」を慎重に見極めています。患者さんにとって最も利益のある方法を選択すること、それこそが本来のガイデッドサージェリーの活かし方だと考えています。